オカルト波ℙ

浅はかな妄想探訪記

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手を差し伸べ系

おまけに書こうとして下書きにしてたとこ*1からの、手を差し伸べ系回想録的な回。

今日の目次

蝶の話

蝶が舞い降りるって歌詞の歌あんのかな?と、検索してみたら、蝶のように舞い上がる、って歌詞がHITした。蝶は、ふわふわ飛んでいるような印象があるけど、条件によっては、超絶激速で上昇する。という事象を体感したことがある。

ある年の夏

そんなに飛ばしちゃいないけど、気持ちよく山道をバイクで走っていた時、大きくてきれいな黒地に青が美しい蝶がひらひらと目の前に… ああっ!よけきれず、ぶつかってしまった。蝶は道に落ちてしまった。あああ。

野生の瞬発力

σ(゚∀゚ )オレはバイクを止めて、蝶のところにいった。ああ、もうだめかな、と、ふと手を差し伸べた瞬間、目の前から蝶が居なくなった。え?蝶に触れたかどうかも定かではないっていうのに…

きょろきょろした。あたりを見渡したが蝶がいない。えええ!どこいったんだ?

え!まさか

真上に居た。ずーーーーっと高いところ。どうやら瞬時に舞い上がったみたい。目にもとまらぬ速さで。

平らな地面からは自力で飛び立てないの

その日は、車やバイクにぶつかって、道に落ちたまま動けなくなっている同じ蝶を多く見かけた。大きな羽の蝶は、道のような平らなところから飛び立つのが難しいんだ、それで、動けなくなっていたのか…。

たくさんの命が誕生してる。優しく走ろう。。と、思った夏。

手を差し伸べ系

どっかに書こうと思っていたんだけど、このタイトルにぶら下げてみる、とかげくんかちゃんとの話。

ある年の夏

ああ、あれも夏だったな。山に行っていた。山着を着て。顔を覆って、目にゴミが入らないように、日差しガードもかねてサングラスをしていた。でっかいやつ。用が済んだので山を下りていると、ふもとに近い畑に水瓶が置いてあった。

ふと目に入ったその瓶の中には、トカゲ君(ちゃんかもしれん)がいた。トカゲは、瓶に3分の1ほど溜まった水にしっぽを浸しながら天を仰いでいた。

ああ、何かの拍子で落ちてしまって、ここから出られなくなったんだ…。どれくらいの間こうしているのだろう…。。(気の毒。。。

瓶は縦長で、底の径より上部が広くなる形状だが、最上部の径はすこし絞ってあるので、トカゲ君は、出口付近でのけぞる形になる。多分、そこで落ちちゃうんだ。トカゲ君は背面にそることは苦手と思う。

トカゲに手を差し伸べる

と、そんなことを見た瞬間に察知したσ(゚∀゚ )オレは、瞬時にトカゲの後ろ脚のほうに手を差し伸べた。すると、打ち合わせも何もしていないのに、息ぴったり!上方にむけて手をスライドさせていくと、後ろ足を俺の手にのせて前足で上手によじ登っていった。

すんごいスムーズ!速度もばっちり。するするするーっと、最上部にたどり着いた。

そこでσ(゚∀゚ )オレは、トカゲはそこで飛び逃げていくのだろう、と、予測していた。小さいころからトカゲはよく見たけど、人の気配を察した時点で消えてしまう逃げ足の持ち主。てか、人に対してそういう距離感を持っているのを見てきた。だから、今回も、すぐに居なくなるだろう、と、思っていたらーーーー!

ちょーかわえーーけど心配しかない世の中

なんと、最上部にたどり着くや否や、くるっと振り返って俺の手にのった!まじで!なんだそれ!ちょーかわいーんですけど!

手にのったので、そのまま手にのせて山を下りながら考えた。このまま連れて帰って飼うか、家の庭に放つか…。ううんまてよ、トカゲって何食べるんだ?σ(゚∀゚ )オレがいない間はどうやってどこに置いておくんだ?快適環境保てるのか?庭に放したら車道が近いから車が心配じゃないか。庭に放していつもこの子が庭にいたとして、そんなことに無頓着な住人(σ(゚∀゚ )オレ以外)に踏まれたりしないか?

うおおおお!しんぱいしかない!

ということで、一番ふもとの畑で放すことにした。いろいろ考えながらもトカゲとサングラスを通して目を合わせていた。あちらから見えていたのかどうかわからないけど(笑)。トカゲは舌でにおいを感じるらしい。ときどきペロっとしていたから、俺の匂いを覚えただろうか。

お別れの時

畑に入り、手を地面に置いた。トカゲは手から降りない。ここに放したからと言って色々心配だ。何かに踏まれないか、石に挟まらないか、農作業機器の危険はないか…うおおおおおおおおお!心配しかない!こんな小さな命が自然の中で生き抜いていくっていうのは、奇跡なんだなぁ。。。

などと、思いながら、なかなかσ(゚∀゚ )オレの手を下りないトカゲくんに話しかけた。じゃあね、気を付けてね。

トカゲはしばらく俺の手の上でいろいろ覆っていて見えていない俺の顔を見ていたが、その内わかってくれたのか、仕方なくって感じで俺の手を降りた。手を降りてもそこにとどまっていたが、俺は、お互い頑張ろうな!という気持ちで、あとくされなく、そこを去った。

あれから十数年たったと思う。あのトカゲ君は命をつないでいるだろうか。