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浅はかな妄想探訪記

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改めて四次元世界の秘密「DIMENSION A」

子供の頃にモヤモヤした本をもう一度読んでみた!

この「四次元世界の秘密 (1971年) (少年少女世界SF文学全集〈6〉) | L.P.デービス,」という本については、過去のエントリにポスト👇したんだけど…2o65o.hateblo.jp小学生の頃の今よりもっと浅はかなσ(゚∀゚ )オレ。SF*1って書いてあることを無視して、これを読めば四次元の秘密がわかるんだ!と思い込み、期待に胸ときめかせて苦手な読書というものに取り組んだため、読破したところで解せない気持ちだけが印象深く記憶されてしまった。思い出としてあまりに感触が悪いままだったので、この年になって、改めてジュニアSF文学としてどういう内容だったのかを探るために読んでみることにした…。

DIMENSION A

四次元世界の秘密(裏表紙)定価880円

原題は「DIMENSION A」。どうせなら「ディメンションA」としてあった方が意味深でよかったかもしれないなー。一応表紙に書いてあるけどね…子供気付かん。。

今日の目次

昭和オカルト事情

最近のオカルト事情にそんなに明るいわけではないが、過去(昭和の頃)には神隠し的な突然人が居なくなったとか、道路を走っていたらきりに包まれて全然違う場所にいたとか、魚が降ってきたとか、霧に包まれたら外国語ペラペラになっていたとか、そういうのを多く聞いたように思う。

バミューダトライアングルとかね今どうなの?

外国語ペラペラはバミューダトライアングルだったかと思うが…。バミューダ海域にまつわるミステリーも多数聞いた気がするが、最近情報薄?こういう怪奇現象自体が減っているのか?

tenki.jptenki.jpにバミューダってΣ(・ω・ノ)ノ!。

NHK見てたら飛行機で世界一周を目指して飛び立った女性が機体ごと消えたという話が…。未だに何も見つからないのだそうだ。

www.nhk.jp今頃、この手の話あまり聞かない気がする。レーダーとか衛星とか発達してきて、まさか消えましたで話のつじつまが合わないからなくなったのかな。だとすると…( ゚Д゚)それはもうこの辺にしておこう…

物語の背景にあるもの

この作品(DIMENSION A)も、当時、こういった人が突然消えたとか、緑色の肌の人が突然現れたとか、異次元と通じるような実際に起こった現象を元に創作されているようだ。こういう事象は、イギリス、アメリカ(大陸)でよく起こっていたみたい。

お話のトーンと第一の感想

お話全体のトーンとしては、感情の抑揚がほぼない。出来事が淡々と描かれている。児童向け図書という事もあり、読書不得手な自分もあっという間に読み終えてしまった。

これ、子供の想像力膨らむかなー?というのが第一の感想。

ああ無情

無感情に描かれているせいか、その異世界の景色を見るわびさび、異次元の人々の生活に思いを馳せる、その背景を感慨深く描写する、そのような背景を読み取る隙が与えられていなかったように思う。

でも、これはある意味いいのかなと。子供向け図書ってそんなに読んだことないのだけど、こうして淡々と進む物語の中に、自分なりの感情なりなんなりを見い出せばいいのかなと思ったりもした。それは、最近、下記の本を読んだこともある。

道徳教育への違和感(横道ソレル)

昨今の感情にも画一性を持たせようとするかのような道徳教育・国語教育への違和感から、過去から現代までの道徳観や教育、図書、と言ったものを、その時代背景を含めて考察している本。引用資料も豊富で、非常に面白かった。嫌みのない率直なツッコミも楽しく、端々爆笑もした。

自分も常々、感情はどこから来るのかと子供の頃から思っていて、自分の感情が本当に自分のものなのか疑ってた。こういうときはこう対応せよ、と、教わったからそうしているのではないか?と思ったりしてた。

 

…と、そういうわけで、こういうときはこうだよね!みたいなの、押し付けなしで、淡々としてていいよね。と、ふと思ったので、こちらの本を引き合いに出してみた。

無感情な国民性?

さて、DIMENSION Aに戻ると、その邦題で四次元世界となっている異次元というのは、地球と似たような世界。酸素があり、緑があり、少ないが動物もいる。人々は水分と穀物たんぱく質(狩猟による小動物の肉)といったものを食料として生きている。しかし、人々の生活レベル等を踏まえた文明の程度は地球より低い。かといって、こちらより高度な技術の武器があったりもあるのだが。

この異世界での地球人の行動については、異次元に対する下記2つの設定が重要なファクターとなる。

  • この異次元の世界は地球より「文明が低い」という設定。
  • この異世界の民は「友好的である」という設定。

マジ無情

ひどいなと思ったのが、そんな、低い文明の友好的な人たちに対して、先にこの異世界に準備もなく入りこんでしまった博士を後から探しに行った二人の青年が、無慈悲な行いをするところ。例えば、博士の毎日の世話をしてくれているのは女性で、食べ物や水を運んできてくれたり、この異世界の歴史を教えてくれたりしてくれているのだが、異世界の首長の思惑もあるとはいえ、それは命令でそうしているだけではなく、友好的な行為でもあるわけ。にもかかわらず、この二人の青年は、この女性二人をお手製の武器で殴って失神させ、縛り上げてしまう。博士も世話になっておきながらなんとも言わない。

女性を殴るかよΣ(・ω・ノ)ノ!

まじでー?少なからず、博士が迷い込んでしまってから今まで(異世界時間で1年半ほど)、世話になった人を殴るかよ?しかも女性だぞ。別にその人たちが用事を済ませて出て行った後でも十分間に合うのに、わざわざ殴り倒すなんて。見せ場とばかりに、うまいことやった!という感じで書いてあってさらに驚く*2

文明の低い民には無感情。

え?そうなの?…。と、解釈せずにはいられなかった…のであった…( ゚Д゚)ゥォ。

異世界なんて知ったこっちゃないのさ

それと、この異世界の知的生命体には大きく2つの勢力*3があって、食糧難でどちらも生存をかけている。そんな2勢力ある1つの勢力を簡単に倒してしまうアイテムをたまたま持っていた地球人の一人が、それを自分たちが地球へ戻るための取引条件にして、一方の首長に渡してしまう。結果、無事に帰れるわけなのだが。いやー、帰れたよ、よかったよかった。「終」。

ってまじか( ゚Д゚)

ってちょっとまてー!

ひどくねーか?あちらの世界にはあちらの世界のバランスがある。それを一気にぶっ壊してしまうようなアイテムを残して戻ってくるとは…。まあ、異世界の住人も地球侵略というか、侵入を目論んでいたので、そういう意味では地球VS異世界(DIMENSION A)ともとらえられるわけだから、致し方なしなのかもしれないが。強引に地球は救われた、とするか…。

気の毒な生命体…

その地球人が残していくアイテムによって滅ぼされるであろう片方の勢力でもある生命体が気の毒でならん。その生命体も、その異世界の歴史が生み出したものなのに。悲劇の生命体というかなんというか。

すでにその世界では独裁者気取りのその首長が、地球人からそんな無敵アイテムを渡されたら、独裁政治はさらに進むと思われる。敵対勢力を倒した先に、平和で健やかな世の中が待っているようには思えない。というか、異世界の民も地球の人間と同じようなカルマを背負っているようだ。欲ってやつね。生命体にはそういう重いものが背負わされるのだろうか。それでいつも破滅に行ってしまうというのに。破滅させるためにカルマがあるのか?

じゃあ、いっそのこと、もう、そろそろアセンションしようぜ~!

子供の自分を思い出す

子供の時に自分が何だこれ、と、思ったのもなまじおかしな感想ではなかったのかもしれないなと。おめぇはやっぱり、オレの過去に間違いないぜ!と、自身に太鼓判σ(゚∀゚ )オレ

読書について考える

まあ、ショーペンハウアーでさえこんな本出してるわけだが

先程の不道徳お母さんの本のこともあるし。

ウーム。読書を子供にやたらと進めることにも確かに疑問を感じるなぁ。自分が読みたいと思って手にする本を読むのがいいんだろうね、図書も読書も悪くないが、きっとそういうものがなくても、子供は子供の物語を作って、いまあるもので、なにか作り出して遊ぶよね。それでいいのではないだろうか?まあ、成長に伴って興味を持ってくれば読めばいいけどさ。

もう一つの感想

まあ、そういうわけで、今は宇宙人とかが話題になっているわけだけれども、どちらの文明が高いとか低いとかいう話ではなくて、異世界による他世界への干渉というのは、気を付けることがたくさんあるよね。ほんと、もし、高度な方から来た場合は、見守るしかないのでは?と、思うんだが。まぁ、色々難しいよね。知らないけど…。

おもてなし精神無条件受け入れの危険性

あと一つは教訓にもなる。善悪の区別というのは、道徳教育と同じように、時代背景によって変わってくるもの。だから、無慈悲で無感情なのが悪とも限らない。そこで気になったのは、ここ近年、やたらと見かける「おもてなし精神」というやつ。

おりんぺっこ招致でも大々的に宣伝していたが、四国霊場も「おもてなし」がセットで売り文句になっている。しかし、おもてなし精神っていつできたものだ?遍路⇒辺土という言葉があることも知らねばならん。無条件受け入れというのは一番危ない。かといって、粗末にするというのとは違う。「無条件」というのが危うい。「おもてなし」でなんでもやすやす優しく受け入れますっつうのは、考えた方がよくないか?相手が無慈悲なら、おもてなしなんて、都合がいい以外の何物でもない。それこそ性善説に立った話。

おもてなし精神って最近作られたんだと思うんだよね。武士道も似たような話があるよね。それが自然とあるころには名前なんてないものなのでは

ショーペンハウアーも言ってるが、自分で考えないとね。聖書にいい節がある。

❝I am sending you out like sheep among wolves. Therefore be as shrewd as snakes and as innocent as doves.❞

MATTHEW 10-16

ふと思い出す節。マーフィー氏の本の影響で聖書を引用的に読むことがある*4

もう一つの観点

このSF物語の異世界は磁気戦争で文明が衰退してしまったのだが…。以前書いた聖なる科学に寄れば、人々は電気的な理解の後、磁力を理解する、そして、Dark Phaseに入っていくわけ。それを考えると、この異世界は、もしかしたら地球の少し先の世界なのかもしれない。と、思ったりもした。

 

2o65o.hateblo.jpおしまい。


*1:

dictionary.goo.ne.jp

*2:というか、こうやって書いていたらむかついてきた(# ゚Д゚)

*3:というか種類、タイプ

*4:

2o65o.hateblo.jp